2007年9月18日火曜日

米マイクロソフト、EUの独占禁止法訴訟で敗訴

ITmediaの記事によると、欧州司法裁判所の第1審裁判所(ルクセンブルク)は17日、欧州連合(EU)独占禁止法違反の判定を不服とする米マイクロソフトの訴えについて、不服を退ける判決を言い渡したとのこと。第1審裁は、欧州委員会が2004年に命じた是正措置や4億9700万ユーロ(約800億円)に上る制裁金を支持したという。マイクロソフトの敗訴は半導体世界最大手である米インテルの独禁法違反調査などにも影響を及ぼすかもしれない。

欧州委は、マイクロソフトがパソコンの基本ソフト(OS)「Windows」の独占的な地位を乱用したとし、04年に競合他社への技術情報開示や音楽・映像再生ソフトの分離販売を盛り込んだ是正措置を命令。同時に巨額の制裁金の支払いを命じたという。マイクロソフトはこれを不服として提訴していたとのこと。

記事: IT-PLUS:米マイクロソフト、EU独禁法訴訟で敗訴・制裁金など支持


今回の訴訟の決定も、2004年に欧州委が下した決定同様に波紋を呼んだようです。しかし、確かにマイクロソフトはWindowsの独占的な立場を乱用しているところがあります。OSの一部として動作するInternet Explorerや、標準のマルチメディアプレイヤーとして付属するWindows Media Playerはその代表的な例で、「はじめからパソコンに入っているから」との理由で使用するユーザーも多いでしょう。マイクロソフトはこのように、消費者からサードパーティー製のアプリケーションを使う機会を奪っているところがあります。

ユーザーが高頻度で使うアプリケーションをあらかじめOSに組み込んでおくということは、必ずしも悪いこととは限りません。たとえば私は、約一年前まで、自宅にインターネットへ接続する環境が整っていませんでした。パソコンはすでに持っており、必要なソフトは店舗に出向いて購入するか、あるいは友人宅でダウンロードしていました。デバイスドライバやアップデートパッチの多くは、メーカーなどのWebサイトからダウンロード入手が基本ですし、フリーソフトなども基本的にはWebサイトで配布されています。お金をかければ有能なソフトは買えますが、購入するのは金銭的に限界があるものです。

このように、場合によっては別途ソフトウェアを用意するのは煩わしい作業になります。「必要なソフトを別途用意することなく使える」というのが、便利であるのは否定できません。


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